同じ技術でも、結果はまったく違う形になることがあります。
最近、3Dで動くサイトを見比べていて、気になることがありました。
コクヨの「好奇心は人生だ」は、映像のように濃厚で、動きが重たい。
一方で、Messengerの3Dゲームサイトは、驚くほど軽く動く。
どちらもWebGLを使っているのに、なぜここまで差があるのか。
考えていくうちに、ものづくり全体に使える視点を見つけました。

重さと軽さは、技術ではなく体験で決まる
ここで言う「重い」「軽い」は、感覚だけの話ではありません。
コクヨのポートレートサイトは、私のPC環境では画面がほぼ止まり、
深呼吸しているような静けさが続きました……(応答なし)。
一方でMessengerは、3Dゲームなのにスルスル動き、
「え、同じ端末なの?」と、思わずマウスをぐりぐり動かして確認しました。
同じ技術でも差が生まれた理由を考えたところ、
「どんな体験を届けたいか」 の違いが見えてきました。
コクヨは、サイト全体を『味わう時間』として構築し、
ページ演出・光・音が、まるで小さな劇場のように設計されています。
一方でMessengerは、『触った瞬間に遊べる楽しさ』が価値。
優先したい体験が違えば、結果として重さも変わるということです。
軽さは“削る勇気”、重さは“濃度を上げる選択”
軽いサイトには、引き算の設計があります。
アニメーションをあえて絞り、画面要素は必要最低限。
余白や情報量を抑えることで、操作の気持ちよさに集中できます。
一方、重いサイトは『濃度』を優先します。
没入感や世界観を高めるために、演出を積み重ねていきます。
だから、重い=悪、軽い=正義 ではありません。
目的が違い、選び方が違う。
ただ、それだけです。
体験から設計を選ぶと、意図が明確になる
この視点は、他のサイトでも確認できました。
例えば、Amrit Palace のギフトカードページでは、
カードが円状に並び、立体的に動くアニメーションが使われています。
これは、「贈り物に特別感がある」 という価値を
視覚で伝えるための演出だと考えられます。
一方で私は、動きの多さが少し気になり、
情報より演出が前に出ている印象も受けました。
もし目的が「わかりやすく、すぐに購入してもらう」なら、
演出はもっと静かでも良いはずです。
しかし「贈る体験そのもの」を価値とするなら、
多少の重さは『意味のある選択』 と言えます。
このように、設計の判断軸を
体験に置くことで迷いが減ります。
※決して良し悪しの話ではなく、「届けたい価値」によって設計が変わるという例です。

明日できる一歩:体験から逆算する
同じWebGLでも重さが変わる理由は、
技術ではなく 体験設計の違い にありました。
次に、制作や発信で迷ったときは、
一度だけ自分に問いかけてみてください。
「どんな体験を届けたいんだろう?」
その答えが見えた瞬間、
入れるものと削るものが自然と決まり始めると思います。
正解より、「なぜそう選ぶのか」を一緒に育てていきたい。


コメント