動かすためではなく、心を動かすために。Webデザインに必要な「間」の感覚

動かすためではなく、心を動かすために。 Webデザインに必要な“間”の感覚 Web制作・思考ノート
この記事は約4分で読めます。

動的サイトとは、一般的には「WordPressのような仕組み」を指しますが、
この記事では「ユーザーの体験を動かすサイト」という意味で使っています。

その上で、私は動的サイトやコンテンツを「心を動かすサイト」と捉えています。

最近のWebサイトは、どこを見ても動いています。
映像や文字が次々に切り替わり、静止している時間がほとんどありません。
けれど、動きが増えた今こそ「間(ま)の感覚」が大切だと感じます。

動かすことは簡単になった。
でもそれだけだと、人の心を動かすことは、むしろ難しくなっている気がします。

動的サイトとは?

動的サイトという言葉には「ログイン機能や自動更新のあるサイト」といった技術的な意味があります。
ですが、この記事で扱う『動的』は、もう少し別の角度のものです。

スクロールに合わせて変化したり、
モーションで感情に訴えかけたり、
ユーザーが『体験』として感じる動き。

「動きをデザインとして組みこむサイト」を、ここでは動的サイトと呼んでいます。

Flashで感じた、小さな動きの力

昔、Flashを学んでいた頃のことを思い出します。
ボタンがふわっと動くで、ページが少しだけ生きて見えました。
その小さな変化に、自分の意図が反応することが単純にうれしかったんです。

動きには、コード以上の「手のぬくもり」がありました。
あのときは、ほんの一行のスクリプトでも、確かに世界が広がっていく感覚がありました。

今ではプログラムだけで3Dやアニメーションなどの動的コンテンツを作れるので、
サイトの在り方も見るだけから「体験する」に変化していくのを感じます。

サイトの在り方も見るだけから「体験する」に変化しているのを感じます

Iventionsで見た、動きの完成とその先

今日、Iventionsという海外サイトを見ました。
ページ全体が映像のように動き、写真と文字が一体になって流れます。
動画と写真のバランスが巧みで、視線の誘導がとても自然でした。
世界観が統一されていて、印象も強く残りました。

一方で、スクロールを続けても次の内容がすぐに見えず、
少し”待たされている“ような感覚があったんです。

サイト全体が物語のように構成されていて、見応えがある反面、
個人的には「次を見たいのに進めない」もどかしさも感じちゃいました。
その瞬間、映像作品でよく聞く“5秒ルール”を思い出しました。

このとき気づいたのは、モーションは「飾り」ではなく、
ユーザーの感情を動かすための設計そのものだということです。

Iventionsという海外サイトは動画と写真のバランスが巧みで、視線の誘導がとても自然でした。

「5秒間動かないと飽きる」─けれど、動きすぎても疲れる

映像の世界では、5秒間動きがないと人は飽きると言われます。
けれど、同時に動きすぎても人は疲れてしまう。
人の集中力は3〜5秒ごとにリズムを求めるとも言われています。
Webでも同じで、変化の中に“静けさ”を挟むことが大切です。

動的なサイトは印象的ですが、演出が強すぎると
コンテンツの本質よりも動きの方が目立ってしまうこともあります。

重要なのは、動きを「見せ場」としてではなく、
体験のテンポを整えるための「間」として設計すること。
止めることも、立派なデザインの一部なのだと思います。

まだ動かさない、自分なりの理由

実を言うと、私のブログには動的な要素がほとんどありません。
でも、それが今の自分には合っていると感じています。

すぐに動きを加えようとすると、どうしても「動かすこと」自体が目的になってしまう。
だからこそ今は、静かな画面の中で“なぜ動かすのか”を考える時間を持ちたいんですよね。

きっとこの静かなサイトが、これから作る動きの実験場になる。
試行錯誤の途中にある「余白」も、私にとっては大切なデザインの一部です。

それに私の尊敬しているWebデザイナーのDXさんも「余白は大切」とおっしゃっていました。
私もその通りだと感じています。

まとめとこれからの一歩

Web制作は、動きだけでなく「間」もデザインの一部です。
動かすことが目的ではなく、感情を動かす手段。
たとえ小さなアニメーションでも、目的と感情をセットで考えることが大切だと思います。

新しい技術を試してみたくなる気持ちはすごく分かります……が、
もし次にアニメーションを入れるとき、少し立ち止まってみてください。

人の集中は最大で8秒しかもたないとマイクロソフトの研究で分かっています。
「この数秒で、何を感じてほしいのか?」
その問いが、デザインをより深い体験に変えてくれると思います。

それが、最近のいろいろな動くサイトを見て感じた感想です。
いつか心に残るような、動きをとおして体験を届けられるサイトを作りたい。

いつか心に残るような体験ができるサイトを作りたいです。


より深く 『動かすデザインの本質』 を知りたい方は、 こちらの記事も参考にどうぞ。
届けたい体験で、設計は変わる|技術ではなく『意図』から判断する考え方

【なぜWebGLサイトは重くなる?】技術ではなく“体験設計”で決まる理由

のりてら
のりてら
この記事を書いた人

のりてらです。富山でひっそり会社員をしながら、すき間時間にブログとWebまわりをいじっています。

前の仕事では、ECサイトの商品ページや記事づくりに、気づけば20年近く関わっていました。
数字に追われつつも、「伝え方しだいで結果が変わる」感覚が好きでした。

このブログでは、「作る」「学ぶ」「楽しむ」をテーマに、とくに日常の小さな「暮らしの実験」を中心に、うまくいった日もいかなかった日も、そのままメモしていこうと思っています。

一気に大成功を目指すというより、「今日はこれだけ進んだならよし」にしたい人が、ふっと休憩がてら読める場所になればうれしいです。

noteでもエッセイや制作ノートを書いています。
▶ noteはこちら → note.com/noritera_blog

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